もう20年以上も前、偶然耳にした二胡の音色に恋をした。
それからずっと、私は恋をしている。
 長くて短い時間の中で、私の人生には色々な出来事があったけれど、それを手放すことができない。
 最初は楽しかったけれど、いつの頃からか苦しいことに気がついた。
努力をしてやっと届いたゴールは、ゴールではなくてスタート地点だったと気がつく。
永遠にゴールはやってこない。
永遠に片想いだ。
私の耳に残るその音は、ずっとずっと遠いところにあって、どれだけ追いかけても届かない。
 声楽家の友人が教えてくれた。
音楽は楽しいと言うけれど、ワクワク楽しいのではなくて、我苦我苦楽しいのだと。
でも、我苦我苦を知らなければ、本当のワクワクは見つからないのだ。
 そんなある日、天翔楽団の仲間に入れてもらった。
大量の楽譜と音にパニックだ。
あれやこれやとある毎日で、半年でこれは厳しいと思ったけれど…なんだか楽しい。
毎回、少しずつ楽しいが増える。
 そして、舞台に立つ。
いつもは一人だけど、今日はぎゅうぎゅうに仲間がいる。
アンコールが終わったとき、我苦我苦とワクワクの仲間ができた!

 

新人楽団員

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