第20回定期演奏会・演奏曲「二泉映月」について
拙い知識ながら、少しでもどなたかに参考になればと思い書いてみようと思います。

劉天華と並ぶ・二胡の歴史において外せない人物である阿炳(本名:華彦鈞 無錫出身)の代表曲として、二胡弾き・中国音楽好きなら皆さんご存知かと思います。

無錫市内の恵山の麓にある天下第二泉(陸羽がその著書『茶経』の中で定めた喫茶に適した水の第二位の泉)、その水面に映る月を思い描いて盲目の阿炳が作った曲です。

指揮者の小澤征爾氏が中国を訪問した際、当時中央音楽院に在学中の姜建華先生の演奏する「二泉映月」に感動したというのも有名なお話ですね。

中央音楽院の楊陰劉・曹安和教授によって録音・採譜されましたが、2度目に訪問した際、阿炳はもう亡くなっていたそうです。
その録音テープをLINの師事する霍暁君老師は学生の時に授業で聞かれたそうです。
阿炳の時代は今の二胡と違い絹弦で音も良くなかったそうですが、録音音源が残っていない阿炳の演奏を聞けるのはとても貴重ですね。

天翔楽団で演奏したものは、彭修文先生編曲による合奏譜による演奏でした。

二泉映月(合奏) / 華彥鈞曲 / 彭修文編曲 / 王國潼二胡領奏 / 中央廣播文工團民族樂團 / 彭修文指揮 – YouTube

二胡独奏譜は、中央音楽院海内外考級曲目では八級・中国音楽院全国通用教材では十級に収載されております。
が現在この楽譜のサイズで演奏される事はほぼ無いそうです。(↓教科書サイズの演奏参考動画)

二泉映月(低音二胡)- 宋飞 / The Moon’s Reflection on the Second Spring (Alto Erhu) – Song Fei – YouTube

演奏家によってカットする部分が違ったりもするそうなので、是非YouTubeで色んな演奏家の先生方の演奏を聞き比べて見て下さい!