こんにちは。

台湾出身の柳琴のRTです。

今回は台湾のちまき事情を紹介したいと思います。

 

あれ?端午の節句って五月の頭ではないの?六月が梅雨の季節なのに?と思っている方がいらっしゃるかもしれませんが、台湾では端午の節句(端午節)が旧暦の五月五日ということで、今年の端午節は六月三日となっています。

日本(関西だけ?)でも中国でも台湾でも端午の節句や端午節といえば「ちまき」がスタンダードな行事食ですが、地域によってちまきの形や具材などがかなり異なるようです。

 

逸話ですが、「ちまき」の漢字が「粽」で、中国語の発音が「中」とほぼ同じ「ゾン(四声)」なので、「的中する」や「合格する」などの意味も含む縁起の良い食べ物として認識されています。

 

また、ちまきを包むことは中国語で「包粽」と言います。

「包中」でしたら、「必ず的中する」でも理解できるようになりますね。

なので、日本ではカツ丼で合格祈願のように、台湾では六月に入って進学受験シーズンも近くなっているため、受験生たちが学校の料理教室でちまきを作って食べる習慣もあります。

確かに包むことはそこまで難しくはありませんでしたが、具材の準備が大変だったと覚えています。

 

台湾の代表的なちまきといえば、「北部粽」と「南部粽」があります。

北部粽の作り方は炒めておいた米に具材を詰めてさらに蒸すので、米の食感がつぶつぶで、具材の味がしっかりで、胡椒や八角などの香辛料も効いています。

ソースをかけなくてもおいしく食べられます。

一方、南部粽の作り方は生のもち米に具材を詰めてちまきを丸ごと水煮するので、食感がもちもちで、笹の葉の匂いがして、味があっさりです。

台南ではその南部粽に甘いたれをかけてパクチーとたっぷりのピーナッツパウダーを撒いてからみそ汁と一緒に食べるのが一番人気だそうです。

台湾を訪ねる機会がありましたら、ぜひ食べ比べてみてください。

 

ちなみに、先日初めて豚まんが有名な551蓬莱のちまきを購入してみました。

持ち帰って袋を開けた瞬間、あれ?なんと豚まんの匂いがしました!

いやいや、豚まんは買ってないですよ?

冷静に考えると、たぶん同じせいろで加熱されたせいで(笑)

551蓬莱の創業者が台湾嘉義出身なので、米の部分が南部粽のほうに近いですが、使っている笹の葉(葉ではなくたけのこの皮かも)や味付けが北部粽のほうに近いと思います。

日本人の味覚や視覚に合うように開発されたオリジナルちまきですからね。

◆画像:日本で購入したちまき