私たちの暮らしは新型コロナウイルスで一変しましたね。非常事態宣言になり、外出も禁止。いまは順次解除され、少しずつですが、学校が始まり、街も再開していくことでしょう。先日、久しぶりに開いたショッピングモールを歩いたら、人が往来し、買い物を楽しむ親子の姿を見るのは、気持ちが前向きに-。ポジティブになりました(笑)。

天翔楽団も新型コロナの影響を受け、感染防止のため練習ができない状況でした。今月から徐々に練習再開していくことになりました。二次感染には気をつけながらも、みんなで集まり、久しぶりの練習を楽しみたいと思います。

 

楽団では「笙」という楽器を演奏しています。今日は普段馴染みのない笙について、家にいることが多いこの機会に詳しく説明しますね。

「笙」は中国古代の民族楽器で約3000年前の商王朝時代から原型がありました。雅楽の「笙」は中国がルーツでいまも原型のまま伝わり、和音を奏でる楽器として耳にするのではないかと思います。

 

 

中国の「笙」は民族音楽が充実し、音域も広げて和音以外にもメロディも演奏できる楽器して改良されています。主に楽団で使っている笙は「高音笙」(A)といいい、リードが36本~38本あります。一本一本が竹筒になっており、ひとつの管にひとつリード(共鳴板)がついており、このリードの開閉で音がなる仕組みとなります。日本の笙と同じではないですが高音笙より小さい伝統的な笙もあります。こちらでも多彩なソロ曲を演奏するため菅が17~25本と様々です。(B)

 

 

 

笙の演奏の仕方ですが、左側の「高音笙」はレバーを押すことで穴をふさぐ仕組みです。親指で12菅、人差指で12菅、中指・薬指・小指で12菅~14菅のレバーを操作します。あまり表からわかりませんが、中指のところにもレバーがあるのですよ(笑)。また、重さが4キロほどあるので、膝の上において演奏するといった方法をとります。

一方、「伝統笙」はレバーもついていますが、穴があいている丸いところをふさぐことで音を出します。両手で持って演奏します。日本の笙に近いですね。

 

指でいろいろな形を組み合わせて、和音を演奏ことができるのです。もちろんメロディも奏でることができるので多彩な曲が演奏できます。また、笙は吸っても吐いても音がでる仕組みとなりますので、長い間一定の音を出すことが得意な楽器となります。

 

では次に、伝統笙の菅を見てみましょう。笙の上部だけが目立ちますが、笙の一番重要なところは下部の釜の部分です。ここに、たくさんのリードが収まっています。

 

一本のリード部分を拡大しました。リード自体の大きさはどれも同じです。よって音程はリードにのっているロウの大小で調整します。高い音はリードの量が少なく、多いと低音の音となります。この菅は量が多いので低い音のリードとなります。音程の調整はこの重りを少しずつ削ったり、追加したりして調整しています。また、音が鳴る仕組みは、吹き口から空気の流れをつくり、指で押した部分の音のリードのみが、切れ目を開閉し菅が共鳴。音が出る仕組みとなります。

 

笙は押せば音がなる楽器なので、笛子と違って初心者でも音がなる楽器です。さらに詳しく知りたい方はぜひ天翔楽団に遊びにきてくださいね。