張韶老師

張韶老師

数年前に出版され話題になった「張韶老師の二胡講座 上巻」の著者である老師が今年残念ながら亡くなられました。はじめての中国で優しく、たくさんの指導と思い出をくださった老師の話を少しさせて頂こうと思います。
日本から数日の日程しかない私達(いつも中国語ができる友人について行っていました)の都合に合わせて時間のある限りレッスンをして下さっていました。朝8時始まりの事も。中国の方では普通なのでしょう、時には小学校二年生くらいの女の子が夜行列車に乗って遠路遙々レッスンに来ていました。
先ずは「力でなく気で弾く」と言う事を熱心に話されていて“小さい前へならえ”風に肩幅に開いた左右の手のひらの中心が熱く感じるまで意識を集中させて気を集める事から始まりました。その後は枕を“えいっつ!!”と気合いを入れて叩く練習を毎日しなさい、と言われました。その当時は訳が分からず恥ずかしさもあって“えいいっっ~”という感じで腕ごとぐねりそうな状態で叩いていましたが、今は瓦を割るくらいの気だと理解できる様になりました。まだ瓦は割れそうにないですが・・。
 天翔の練習時でもよく言われる“メトロノーム先生”なのですが老師ともメトロノームを使った練習がありました。16分音符だったのですがメトロノームからずれてくると「ほらほら聞いてごらん、メトロノームが嘆いているよ、ちゃんと合わせてあげないと」とずれるとカウントし直して改めてやり直す事を繰り返しました。時にはリズムに合わせて中国語で「1、2、3、4」を言いながら。「中国語が言いにくいならば日本語で」とご自分も聞き慣れない日本語を一緒に言いながらやってくださっていました。まだまだメトロノームを嘆かせていますが・・。
一番印象的だったのは“練習をやっていればいつかは自然に弾けるようになる”ではなく“自然に弾けるようになるまで練習する”と言う事でした。
老師自身もバスに乗ったら携帯用の二胡(折りたたみ式!!で棹の部分が半分のところで差し込み式になっている、小形の二胡)を取り出し左手の練習をしていたそうです。それを恥ずかしいと思ってやらないか、気にせずやるかは本人次第だよ。ともおっしゃってました。
 要領の悪い私にも根気強く諦めずに指導して下さったのは練習すればできるよと言う事を示して下さっていたのでしょう。
誰よりも二胡を愛されていて二胡を弾こうとする人にも愛情込めて接して下さっていた老師、ありがとうございました。

張韶先生からいただいたテキスト

張韶先生からいただいたテキスト